公務員は副業しても良いのか【不動産の法務完全版】


公務員は副業が基本的には禁止されていますが、私が公務員の皆さんにオススメしている不動産投資は副業に含まれるのかという疑問について解説していきます。

公務員の副業規定

一括りに公務員といっても縛る法や規則が国家公務員と地方公務員によって異なるのでそれぞれ分けて説明します。

国家公務員の副業規定

国家公務員の場合、以下の憲法、国家公務員法、人事院規則によって副業を制限されます。
結論から言うと、以下の規模内の不動産投資ならば副業になりません。

  • 4棟以下
  • 9室以下
  • 年間賃貸料収入の合計が500万未満

この場合に副業に関連する各種規定を以下に抜粋しました。

国家公務員法:103条:私企業からの隔離

第百三条  職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
2  前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。

抜粋先:国家公務員法

人事院規則14-8:営利企業の役員等との兼業

3 「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合をいう。なお、名義が他人であつても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合もこれに該当する。

4 前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当するときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。

一 農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等 大規模に経営され客観的に営利を主目的とすると判断される場合
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
 (1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
  イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
  ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
  ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
  ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。
  ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
 (2)駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
  イ 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。
  ロ 駐車台数が10台以上であること。
 (3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合

抜粋先:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

また副業が上記の規模以上になった場合にも、国家公務員法で定められているように(青字の部分)、以下の「人事院規則14-8に定められるところ」に該当すれば、申し出をすることで副業の承認を受けることが可能です。

5 「人事院が定める場合」は、次に掲げる場合とする。
  一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
   (1) 職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
   (2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
   (3) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。

抜粋先:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

つまり公務員業務上の取引先と所有する不動産が関係しないこと。
そして不動産の管理を管理会社に委託すること。
(3)は通常通りに振る舞っていれば副業として問題にならないです。

地方公務員の副業規定

地方公務員の場合、以下の地方公務員法によって副業を制限されます。

地方公務員法第38条:営利企業等の従事制限

職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

抜粋先:地方公務員法

赤の部分の「営利目的とする私企業を営むことを目的とする」という部分が曖昧で、自治体によって副業に独自の基準があるようなので確認しましょう。
多くの自治体は国家公務員と同じく、

4棟以下、9室以下、年間賃貸料収入の合計が500万未満

であることが多いようです。

結論としてはどちらのケースでも、公務員は不動産投資は副業にカウントされないことがほとんどです。